【マスカット・ベーリーA】
1927年交雑(交雑番号 3986)
「ベーリー♀」×「マスカット・ハンブルグ♂」
川上善兵衛が生んだ日本を代表する赤ワイン用品種です。
降水量が多い日本の気候にもに適しているため、
日本全国の幅広いエリアで栽培されています。
実は比較的大きめで、ワインにするとイチゴ様の香りが特徴的な、
軽やかなタイプからどっしりとしたタイプまで様々な味わいのワインに変化します。
岩の原葡萄園のワインの中心的存在です。
色調は紫を残したやや濃いガーネットの香り。最初のアタックは華やかで芳醇な引き込まれるような印象です。
口にふくむと果実の甘さと樽熟成からのヴァニラ、ココアとロースト香が複雑に絡み合うような、いくつも味わいが層になってアフターにつながっていき、余韻にも果実香が長く持続します。
糖と酸のバランスが取れた時期に丁寧に収穫され、低温からゆっくり果実の持つ香りを抽出している造りが感じ取られます。
2020年は最大積雪が30cmという異例の暖冬となりました。
7月には記録的な日照不足と降水に見舞われましたが、梅雨明け以降は好天に恵まれ、十分に完熟を促すことができました。
生育期間中の有効積算温度は近年では最も高く、
ブドウの糖度も非常に高いものが収穫できました。